ホテルベランダより見えるブラジリア大聖堂の夜景
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麓氏のベランダからは、大聖堂越しに国会議事堂の
ツインタワーとドームが見える
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ホテル・ブラジリアは、現在パレスホテルと名前を変えき
れいに改装されていた。 正面には可動式の日よけ縦ル
ーバーがきれいにデザインされ取り付けられ、当初の写
真とは全く異なるイメージである。 正面右手の地下に埋
められたサービス棟に掲げられた工事中の写真は鉄骨
の立て方の様子が写されている。 この時代にピロテイの
細い柱を実現するために鉄骨を入れていたのかと麓氏と
二人でびっくりした。ホテルのフロントを半地下にしている
のは、 政敵から逃れるためであると何かに書いてあった
が、リオの日本人ガイド西山さんの言うように「この国の
政治家はみんな飛行機で落とされる」と言っていたが、
この説明もまんざらではないと思う。
ホテル・ブラジリア 今は改修されパレスホテル
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ブラジリア国立美術館は、ゆふぉーが地上に着陸したよう
な建築である。正面のスロープを上り、 左手に張り出した
円形のスロープに出ようとしたが通行止めで出られなかっ
た.内部はよくあるドームの内側で、一部上部から吊られた
中2階があり展示作業の準備中であった。 外部らせんス
ロープに出るドームに沿った大引き戸が斜めの壁沿いに
ある。ザハのソウルで見た建築を思い出し、みなよく研究
していると感心した。それにしても接地面がきれいである。
ブラジリア国立美術館
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滝のある建築は、大統領府の手前にあり前面の池からポ
ンプで水をコンクリートの大庇水受けに給水し滝として流
している。 コンクリートの造形が美しいが、給水はどうして
いるか気になり見ると、柱の脇に給水管が立ち上がって
いた。パイプシャフトなどないほうが美しいのかと思う。
滝のある建築
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大統領府
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ブラジリア国立劇場
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ブラジリア国立劇場 内部
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同上 内部
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ニテロイ現代美術館は、まさに天才オスカーニーマイヤー
である。空中に浮かぶ建築はユホーと地元では呼ばれて
いるようである。 とても美しいと思うが構造はわからない
。外部のスロープを上り展示室に入ると大きな四本の柱
に囲まれた中央に展示室があり、周囲に展望展示室が
ある。その上にらせん階段で上ると、
窓のない展示室がぐるりと回っている。
ニテロイ現代美術館
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崖の上の美術館
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展示室かららせん階段で降りると、男女のトイレと管理諸
室になっている。中央の括れた部分は不明である。 地上
より外部階段で地下に降りると広いレストランがあり、水
平の細い連続したきれいな窓がある。
これだけの地上構造を支える地下構造があり安心する。
360度見える |
教育保健省は工事中である。前面の仮囲い越しに工事
中の建築が見える。自慢のピロテイは上部しか見えない。
よくデザインされたブルーのタイル、整然とした日よけの
ルーバーが目に入る。遠目に美しい。 50年前に刊行さ
れた吉阪隆正・二川幸雄著の作品集を頼りにタクシー運
転手に地図で案内してもらった。 オスカーニーマイヤーは
コルビジェの20年後輩で、弟子であり、良いところを継承
し、独自の考え方で独創的な建築を造ってきた(発明した
)建築家である。コルビジェはフランスからきて教え共同
設計者として設計し多大な影響を与えた。 建
築は(住宅は)住むための機械ではない。
「104歳の最終講義」より?
リオ・デ・ジャネイロ 教育保健省庁舎 頂部見上げ
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コパカバーナ海岸に面した通り沿いにある、オスカーニー
マイヤーのスタジオのあるビルは、 壁のように海岸を向
いて並ぶビル群に挟まれた縦に細く2本のシリンダーが並
んで立つような高層の建築である。 「104歳の最終講義
」に書かれた写真から想像すると、最上階の円形に張り出
したスタジオから180度海岸が見渡せ、
左手奥にはニテロイの街が見えるようである
現在改修中・仮囲いのパネルが見える
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タイル詳細 |
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ブエノス・アイレスには、現地時間で19時45分時間どお
りに到着した。空港は、ドバイからくると田舎の空港に感
じたがごく普通の空港である。 税関を出て、すぐにホテル
までのハイヤーのチケットを買ったが、700ペソ(5000円)
程度の予定が、1400ペソをVISAで支払ったが、いやに高
い印象である。その後ナショナルバンクで両替をした
が、 100USドルが3690ペソで、1ペソが約3円であった。
日本出発時の予定は1ペソ7円程度を予定していたので
約半分であるから、先ほどのハイヤー代は高くないのであ
ることを理解した。その後この国で、 食事もしたがとても
安い印象である。 Melia Buenos Aires ホテルは五つ
星のホテル。今回で一番良いホテルで、運河に近い繁華
街にある便利な場所で、バスタブのある広いツインルーム
で長旅の疲れをとるには充分である。 翌日は2月8日(金
)である。 遅い朝食をホテルで取り、荷物をまとめて
チェックアウトをして、スーツケースをホテルに預け
市内に出た。
ブエノス・アイレス
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さすがに、ガウデイを思わせるようなスペイン風の建築が
目に入り、そちらの方向に向かい歩く。 旧市街には、ヨー
ロッパの街を歩いているような雰囲気がある。 コルビジェ
のマルセイユのユニテのような柱の建築や古い建築の中
にアトリュウムを設けたショピングモール、細い柱の上に
乗る超高層ビル等が並ぶ旧市街の通りの
延長にオベリスクがある。
アトリュウムを設けたショピングモール
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太陽がまぶしくとても暑い、広い交差点の中央にあるオベ
リスクに何か書かれていたが、 ]早く日陰に入りたい思い
でよく見えなかったが立派なオベリスクである。 この場所
から、放射状に広がる通りが見える。交通量の多い交差
点では、多くの警官による交通誘導が見られた。
大通りの中央交差点にあるオベリスク
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最高裁判所 内部に明るく涼しい吹抜空間がある |
近くの最高裁判所に入ると、重厚な外観からは想像でき
ない大きなアトリュウム空間があり、 天井から入る明るい
自然光と、熱い外気から重厚な石造の建築が作り出す洞
窟の内部のような涼しい空間があった。 空間的にもとても
美しい。暑い国の空調のない時代の建築がよく理解できた。
最高裁判所 内部吹抜 見下げ
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最高裁判所 内部吹抜 見下げ |
オベリスクよりもう一つの軸を進むと、また塔のある広場
に出た。 周囲には大聖堂や政府の関係機関や
民間の主要施設が並んでいる。
ブエノス・アイレス 広場
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遅い昼食を、運河沿いの眺めの良いレストランで赤ワイン
とパスタの昼食をとり、ホテルよりタクシーで空港に向かう。
運河近くのレストランでワインの昼食 |
ブエノス・アイレス 運河を撮影する後姿の麓氏
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運河周りの様子 新旧が混ざり更なる魅力がある
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運河周りの風景
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運河べりを散策する人々 |
途中、大雨が降り、稲光がした。タクシーは猛スピードで
走るが運転は上手である。ブラジリア行きのゴル航空は
、 朝3時である。空港で夕食をとり2階の通路わきにある
1段床を上げて体を横になれるように床にカーペットを敷
いた休憩スペースで仮眠休憩した。
24時間空港も設備が大変である。
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アルゼンチン特に南アメリカ大陸は今回が初めての訪問
である。ドバイからアフリカ大陸上空を飛び、大西洋を横
断しブラジルのリオデジャネイロ、 アルゼンチンのブエノス
・アイレスへと大変長い飛行機の移動であるが、機内の
液晶パネルに映し出される現在地の様子を見ていると、ポ
ルトガル、 スペイン等のヨーロッパ諸国と北アメリカ大西
洋側諸都市、南アメリカ大陸、アフリカ大陸等大西洋を中
心とした様々な文化や人々の交流の様子が想像される。
オスカーニーマイヤーとコルビジェの交流やフランスに一
時亡命や共産党員としてキューバのカストロとの交流等
の様子が書物に書かれているが、 この機上で移動しなが
ら見ていると、私の脳が活発にそんなことを考え理解して
いるように感じる。つくづく、日本は東洋の端のジバングで
あり、 日出る国であり、地球の裏側、地図の端のほうの小
さな国であると西洋人が思うことがよくわかる。それにして
もエミレーツ航空の航空機の仕様は良い、 居住空間、機
内サービス、ドバイ空港。会社の目線の違いか、
地下から湧き出る資本の違いか?
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